電気療法の効果とそのメカニズム

2014.12.23

電気療法の効果とそのメカニズム

 

電気療法によって期待できる効果としては、
①疼痛抑制、
②筋収縮促通、
③末梢循環能の改善、
④筋力増強、
⑤糖代謝能改善、
⑥痙縮抑制があげられる。

 

ここで紹介する内容では、なかでも①疼痛抑制、②筋収縮促通に着目している。

 

疼痛抑制は、疼痛のある部位の感覚神経に作用する周波数で電気刺激を加えることによって、感覚神経に伝えられる侵害刺激(疼痛の情報)が抑制されるために怒ると考えられている。これは慢性疼痛や幻肢痛などの症状に対するTENSとして知られている。この理論的背景よして、第1~3次神経に対する効果があげられる。1次神経は、末梢神経線維のAσ線維とC線維をブロックすることによって、疼痛を抑制する神経ブロック作用である。2次神経とは、いわゆるゲートコントロール説であり、閾値の低い非侵害受容器であるAβ求心線維を電気刺激によって選択的に興奮させ、痛覚伝導路の中継ニューロンである脊髄後角のT細胞の活動を抑えることによって疼痛を軽減する。さらに第1~3次神経の神経終末からのサブスタンスPの放出を抑制することによって疼痛を軽減する内因性鎮痛物質による作用(オピオイド媒介理論)がある。

 

筋収縮促通は、筋よりも神経のほうが電気刺激に対する閾値がはるかに小さいことから、筋を支配する運動神経が刺激され、神経の興奮が筋収縮を引き起こすことにより生じる。電気刺激を行いながら、筋力測定を行うとより高い筋出力が検出されることも確認されている。この要因について、活動電位の発射頻度の増加、運動単位数の増加、運動単位活動の同期化などの可能性があげられている。

 

 

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